トービー森に帰る

30年ぶりに森の生活に戻れる・・・かもしれない。東京と小さな古別荘の二拠点生活。思いもよらない展開で森の家の夢が叶うか

引き渡し完了

森ぐらトービーです。

 昨日、建物の引き渡しが完了しました。前のオーナーさんが少しづつ片付けて下さって、当初の残置物の3分の2以上無くなっていました。業者に頼まなければと考えていましたが、自分たちだけでもなんとかなりそうな量です。

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初心者にちょうど良い薪ストーブ

 置いていかれたものの中には、私にとって大変嬉しいものもあります。まず薪ストーブ。お遊び程度モノらしいですが、ドラム缶でもいいから焚火がしたい私にとって、十分なモノです。少しずつ勉強して、いつかはアンコールを主力暖房にできたらと夢も膨らみます。次回は煙突掃除をしたいと思います。薪ストーブがあるということは、薪が必要。この薪割りがしたかった。薪はすでに乾燥済みのものが大量に保管されていました。助かります。

 私は音響機器は全くわからないのですが、オーディオセットが全部残されていました。音が出なければゴミになるのかと、気がが重かったのですが、いきなり大音量の迫力にのけぞってしまいました。これも楽しみの一つになりそうです。f:id:tou-bee:20201214083030j:image

 あとは、FFの大型ストーブ、テレビ、DVDプレーヤー、こたつ、炊飯器、パン焼き器がありました。これだけあれば取り敢えずすぐ生活できそうです。

 次回から大掃除です。今回は日帰りでしたが、年末までには、なんとか形にしたいと楽しみにしています。

 

森ぐらトービーです。「夢を見るのはタダだから今はたんと夢を増産し、かなわない順から惜しげもなく捨ててしまおう!」と誰かが言っていたようですが、私にとって今がその時。毎日毎日、現実混じりのほぼ夢を見続けているようです。1、薪小屋を作る 2、煙突を2重煙突にする 3、ウッドデッキを拡張する 4、屋根の家に昔懐かしい物干し台を付ける 5、物置小屋を作業小屋に改造する 6、丸ノコを買う  7,

斧を買う 8、毛鉤を作る 9、赤岳に登る 10、真っ赤なアンコールを部屋に中心に置く

この調子だと簡単に100は行きそう、いや1000かな。

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家の気配

 森ぐらトービーです。先日現地で契約が完了した後、今後の片付けや、リフォームの予定を立てるつもりで鍵を夕方までお借りしました。契約前に2度管理センターの方と内見させていただいたのですが、夫婦だけで中です過ごすのは初めてのことでした。前オーナーさんが置いていかれた椅子に初めて座り、落ち着いて見渡す家には、やはり、なんというか気配があります。これまでも引っ越しのたびに感じるのですが、新しくここに住むことになった住人を値踏みするような家の目を気配として感じることがあります。決してオカルト的なことではありませんよ(笑)。家は基本底に臆病な人に例えられるように思います。住人から見放された家は朽ち果てる一方、どんなに愛されていても、主人が不在になると急に傷み始めます。私が住んでいる東京の多摩地区では新築の住宅に囲まれた場所に1軒だけツタや雑草に囲まれ、傾きかけた昭和の家がポツポツと見れらます。そんな時「かわいそうに」と思ってしまいます。森の家は、前のオーナーさんに大変愛されていた家なので、私たちのことをドキドキしながら見ているのでしょう。

 夕方の感傷的な雰囲気もありそんなことを考えていると、どんどん時間が過ぎてしまい、予定の作業が終わらなくなってしまいます。家の周囲を観察すると、窓枠の木部が腐れて脱落しそうになっている箇所が数カ所、ほっておくと水が壁内に入り込みそうです。次回引き渡し後に応急手当てします。基礎は緩い傾斜地ですので北側のベタ基礎に続いて、一部独立基礎があります。(ちょうど居間の下部になります)この部分はいただいた図面だと、フローリンクの下は構造用合板のようなものが入っているだけのようです。ここが冬をこの家で越せるかのポイントになりそうです。そして増築部の継ぎ目にわずかに漏水の跡が見られました。以上が大きなところで、決定的な問題は見つかりませんでした。天井、壁には断熱材が入っているのに床にないとは少し残念でした。室内で不思議なのが床の段差で、傾斜の一番上の方、北側のトイレ、お風呂、洗面、玄関、台所のレベルと居間が段差があり80mmほど居間が高くなっています。階段の下部に干渉しているので後付けのようです。後日工務店さんにお聞きします。f:id:tou-bee:20201126084154j:image

 あとわずかで日が落ちる時間になり、暖房を入れていない室内は流石に寒くなり始めました。最後にサンルームでボーとしていると、ガラス越しに鳥の声が聞こえてきました。次回は庭の給餌台にひまわりの種を入れてあげようと思います。f:id:tou-bee:20201126084444j:image

契約終了

 

 森ぐらトービーです。先日、無事契約終了しました。早朝に東京を出発し、早めに山に到着したので近くの大きな公園で朝食をとりました。「あー、富士山が見える」と奥さんが嬉しそうに指差す先には確かに、大きな富士山の姿が。森が開けている方向がややずれていたので、勝手に見えないと思っていた私も嬉しい驚きです。その後、売主さんにお会いし、重要事項の説明を管理センターのAさんから受けましたが、手慣れた感じのAさんの段取りで、予想より速い時間に契約は終わり、現場に移動することになりました。家を主に使用されていたのは、亡くなられた現オーナーのお父様で、手作りの給餌台や表札、庭づくりはお父様が行っていたようです。最後にということで、高齢のお母さまや、お孫さん、ご親戚の方などこの家に思い出の多い方々が集まっていました。お母さまからいろんなお話や庭木のこと、びっくりしたのは、敷地内でワサビが採れる場所を教えていただけました。薪ストーブやファンヒーター給湯器、全て使用出来る事や大きな雨漏りがない事などを確認できほっとしたところで、Aさんが、この家は24時間換気の装置があるので全くカビがないとお話になっていました。確かに内見した他の家は玄関に入ると必ず独特のにおいがあるのですが、ここでは無かったように思います。水抜き手順を教えていただき、不凍液をさして終了です。オーナーの皆さんこれから少し中を片付けてお帰りになるそうです。(ありがとうございます。)f:id:tou-bee:20201125085657j:image

 もう一つ今回の目的だった、何年も前にこの地に移住された先輩の移住者にお会いすることができました。いあれもこれも聞きたいと考えていたのですが、お話の内容が興味深く、あっという間に時間が過ぎてしまいました。今回室内のリフォームを少しだけ考えているので、地元の業者さんを紹介していただきお別れしましたが、また今度ゆっくりお話をお聞きできれば嬉しいです。

 最後に家に寄ってみると室内も綺麗にして下さったようで、ゴミのように物はありませんでした。本来なら現況渡しですから、残材処分は私たちの負担で行うのでしょうが、障子まで張り替えていただき、、ありがとうございました。倉庫には工具系が残っていました。これから少しずつ拝見しようと楽しみにしています。玄関横の手作りの表札も外されていました。

 この時期あっという間に暗くなり、本当に静かな家の周辺に、多少不安な気持ちになりましたが、この静けさを味わいたかった事を改めてしみじみ感じて山を降りました。次回ここに来れるのはいよいよ引き渡しの日になります。楽しみだな。

森暮らしの家

  紅葉が素晴らしい晴天の日。隣接する車道から玄関までのアプローチに魅了され、私の気持ちは、その時ほぼ決まったように思います。物件データは、昭和60年に建築、土地246坪、建物28坪、木造2階建、2LDK増築部ありです。これまで見学した物件の中では小ぶりで、外観は白のサイディングと茶色の窓枠が基調のまあ、普通な感じです。私が何より気に入ったのは、玄関に続く短いアプローチと南側に増築されたサンルームです。アプローチはかなり昔に埋め込まれた赤茶色のブロックが積もった葉の底から微かにのぞいていて、使用されていない期間があるのに、前のオーナーの方がしっかり手入れがされている様子が伝わってきました。サンルームは茶色の柱に囲まれた3面ガラス張りの約16平米。暗めのテラコッタ調のタイル貼りで、予想外のことに薪ストーブがついていました。f:id:tou-bee:20201125053201j:image

 このサンルームに入った時、二十代の頃憧れた、作家の田渕義雄さんのご自宅にあるサンルームを思い出しました。田渕さんは今年の1月にお亡くなりになったのですが、そのことを知った8月に、昔よく読んでいた「森暮らしの家」(小学館)を探し出して久々に読み直していたところでした。清里にほど近い金峰山の北麓に居をかまえ、当時の私には新鮮だったエコロジストとして、薪ストーブのある森の暮らしを力強くそしておしゃれに伝えてくれました。この本の記憶が残っていたところでこの物件に出会えたのは、私にとってはとても幸せな出来事でした。薪ストーブを愛した田渕さんの著作も読んでいましたの、なおさらストーブがあるのは驚きでした。憧れの田渕さんの亡くなった年に、森暮らしを始めることになるとは。

 著作「森暮らしの家」のプロローグで田渕さんはこの本について『これは、この雑木林の片隅でジジイになっていった男の、家と庭をめぐる物語です』と綴っています。若いころの私は、きっとこの部分を読んで寂しさを強く感じていたと思います。しかし、今この本を読み返すと「どうだ、羨ましいだろう」と全てをやり切った男の声が聞こえてくるように思えました。私もできることなら、新しく見つけた森の中でジジイになっていきたと感じています。明日はいよいよ契約となります。コロナが猛威をふるい始めたこともあり、直行・契約・帰宅したいと思います。

 

 

運命の家

 森ぐらトービーです。思いもよらず別荘物件を候補に入れましたが、予算的にほぼ玉砕。やっぱりねと諦めかけた時、何度も見たはずの販売予定物件一覧に、森の奥に建つ家の写真を見つけました。運命の出会いとはあまり縁のない、成り行き人生だった私ですが、最初(所有者の方には申し訳ないのですが)地味な外見にチェックを外していたこの家がどうにも気になり始めました。何が?と問われると、答えに困りますが、他の別荘がオラオラ感が強いのに比べ、手づくりの給餌台や表札に囲まれた家の穏やかな佇まいが何か「いいな」と感じられました。

 毎年、年賀状用の家族写真を10月の終わり頃、小旅行を兼ねて撮りに出かけるのですが、今年は、この別荘地の内見をメインイベントにして早朝東京を出発。これでもか、という好天の中、標高が上がるにつれて目の覚めるような紅葉に囲まれ始め、じきに森の中に到着。とにかく気持ちがイイ。大学生の二人子供に車を預け私たち夫婦のみで、いざ管理事務所に。「おはようございます!」「ん、」前日までメールでお願いしていた見学のお願いが上手く伝わっていなかったようで、私たちも確認のお電話しなかったですし...。

 事務所の奥の方から男性が出てきてくださり、事情をお話しすると、素早く対応してくれました。(この後も大変お世話になり、いつもお仕事の速さに感謝する事になる管理事務所のAさん)気なっていた家意外にも、4件ほど見学をお願いし、Aさん運転の4WDに乗りいざ現場に。あとで奥さんと話すことになるのですが、私が金額だけで選んだ物件は、Aさんとしてはあまり勧められないと分かっていたのに、私の鼻息が荒過ぎたため、「この人を落ち着かせるにはとにかく見せないといけない」とお考えだったように思います。1軒目は入った瞬間にカビ臭がすごく、奥さんは瞬間的に「ダメ」と思ったようですが、私はというと「窓開けて、換気して、消毒すれば行けるかもね!」と大喜び。2軒目はやはり住むには手がかかりすぎる物件。私は「広いね〜、すごいね〜」とはしゃいでしまう。その後も、掃き出し窓を開けるとデッキが壊れていて、結構な高さを転落する可能性がある物件、見た目はいいのですが、屋根が抜けてしまった物件。さすがの私も、少々諦め感が強くなってきたとき、あの気になっていた物件に到着しました。

 f:id:tou-bee:20201119092831j:imageカラマツは無く広葉樹の多い場所で、家の裏には大きなクヌギの木。東側に小さなデッキがあり、すぐ横のモミの木の下に朽ちかけていましたが、手の込んだ手作り給餌台。写真の印象は間違いありませんでした。ここ数年使用されていなかったので、草や幼木が多いのは仕方がありませんが、エントランスから家の前に広がる雑木林に続く小径が石積みで作られていたり、オーナーさんはこの家に愛情を込めて過ごしていたんだろうなと,ほっこりしてしまう第一印象の家でした。

 

求む予算内の家

 森ぐらトービーです。ある日突然森暮らしの夢が現実となりました。どうして奥さんが森住まいをしたくなったのか、聞けないまま(聞いてしまうと夢が覚めそうで)本気の家探しが始まりました。はるかに予算オーバーの物件も、もしかしたら値引きする?なんて考えて資料請求。暖炉がある!と言っては資料請求。ログハウスも念のため資料請求。(今は全部メールだから気軽に資料請求できますね。切手代かかると申し訳ないし。)f:id:tou-bee:20201117072027j:image

 自宅が中央高速の乗り口に近いこともあって、東京から2時間以内の中央高速の周辺に場所を限定しての物件探し。週末は朝早くから、いそいそと起き出しパソコンの前で資料集め、資料がたまったら物件比較の表も作ったり、google map で周辺環境をチェックしたり。ちょっとどうかしている感じの日々を送っていました。(でも、これをしたかったのですよね)

 最初は河口湖周辺や大月から始まり、勝沼小淵沢北杜市北八ヶ岳方面まで。里ではなくて森の近く(できれば森中)を新たな条件にして散々探しましたがいい物件がありません。正確に言うと、いい物件はキッチリ予算オーバー。予算内はイマイチで、当たり前ですよね。しかし、ダメな時ほど何故か、「きっと運命の出会いはあるはず」と思えて仕方がなかったのです。数週間がたった頃、奥さんが「こんなのどう」と言って見せてくれたのは、外見は昭和なアパート、お値段手頃でリフォーム代が出せる感じでした。しかも、憧れの森の中。クヌギ?らしい落葉広葉樹に囲まれたた日当たりのよさそうな場所で、少しびっくりしたのは別荘の管理地内の物件でした。別荘は維持費が高く初めから対象外にしていたのですが、冷静に考えると、私が望んでいた場所は候補地周辺でいえば1,300m前後の森にある家だったので、もちろん冬は道が凍結するでしょうし、雪も降る。降った雪は除雪しないと我が家の軟弱乗用車では脱出できず...、そんなことを考えていたら少しずつ30年前に暮らした雪国の記憶が蘇ってきました。すっかり忘れてましたがここは冬は寒い。管理地のメリットは、除雪にとどまらず、隣の敷地がいきなりアイスクリーム屋になることはないし、渋滞や観光客で騒がしいこともない。倒れそうな木があれば伐採の相談に乗ってくれたり、頼もしい管理人さんがいることは大きい。何より土地をよく知っている人の話は、とても興味深いです。

 しかし、この物件は既に商談中で一足遅かっった。他は予算が合わず「やっぱり別荘は無理かね〜」と気持ちを切り替えようとした時、もう一度見直した物件一覧の、目立たない小振りの家が目に付き「もしかして、これか」と感じてしまいました。