トービー森に帰る

30年ぶりに森の生活に戻れる・・・かもしれない。東京と小さな古別荘の二拠点生活。思いもよらない展開で森の家の夢が叶うか

森に帰る?

 東北地方の山奥で仕事をしていた時期がありました。スーパーがある近くの集落まで車で30分以上。雪の降り始めに、町に降りるタイミングを見誤ったスパイクタイヤ(スタットレスは出始めででした)を履いていない車は、春まで冬眠。私の暮らしていた寮の前には標高1,300mのブナ林(2次林)のあるオニギリ形の山が二つ並んでいました。毎朝見あげては、新鮮な気持ちになれる不思議な山でした。実際には1年と少ししかその場所での生活はつづかなかったのですが、私とって始めての山の中の生活が楽しくて、楽しくて、毎日のように森に出かけ、自分の居場所はこんなとこなんじゃないかなと本気で感じていました。

 予感はあったのですが、森の生活は訳あって続ける事ができず、東京に戻ることになったのが30年前。朝のラッシュ時に駅で自分が見あげていた双子の山のポスターを不意に見つける事がありました。どんなに急いでいる時でも一瞬で森の中に五感ごと戻ってしまう不思議な体験を何度もしましたが、最近は見逃すことも...。それが若い頃は憧れ続け、最近ではすっかり諦めていた森の生活に戻ることになりそうです。

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                           (30年前に通った森:2019年)


 「ねえ、良い話聞く」と、10月の日曜の夕方、最近よくチェックしている古民家をひたすら片付ける夫婦の動画を見ていた私に、奥さんが声を掛けてきました。長年の夫婦生活でこのような状況は一様は警戒するものの、基本的に言葉とおり「良い事」が多いとわかっていましたが、私の悪い癖で10の良いことに、さらに10倍の期待をしてしまう癖が出てしまい、「良い事」を聞く前にいきなり醒め始めていることに気づいてしまい、「私の良い事は、そう簡単に手に入らないな」という心の声にため息をついてしまいました。なので奥さんの「山にに家買わない」は、最初は全く意味がわからず、誰が買うんだろうと思ってしまいました。10倍どころか1000倍を超える「良い事」が本当に・・・起きてしまった。その日から、本気で(夢じゃなく)森の家探しをして良い幸せに、(大袈裟じゃなく)身震いする日々が始まりました。